【裏】作曲の王道 ジャズ & ポップス・レビュー

こんな音楽知ってる?あの「作曲の王道」のプロデューサーとアーティストが、(独断と偏見に満ちた)良質な音楽情報を紹介!

エディ・カノ&ヒズ・クインテット/ブロート・バック・ライヴ・フロム・P.J.’S

第23回 エディ・カノ&ヒズ・クインテット/ブロート・バック・ライヴ・フロム・P.J.’S 〜見つけた! ものすごく好みのピアニスト



わたしがはじめてジャズというものを聴いたのは、グレン・ミラーオーケストラの「ムーンライト・セレナーデ」でした。ロマンティックなメロディとコロコロ鳴る珠のようなピアノと、美メロを奏でるクラリネットのソロ。

今でいうイージーリスニングのハシリだったんでしょうね。

その後、実は日本も空前のジャズブームで、渡辺貞夫、日野皓正という二代スターを迎え、ニッポン放送のオールナイトライブなんかをよく見にいったものです。

新宿のピットインで聴いたナベサダさんの「パストラル」、忘れられませんね。「星影のステラ」を吹く日野さんとか、最高にかっこよかったですね。
それからは外人アーティストを追っかけまわして、アルバムを買い倒して、気がついたら40年の月日が経っていました。

でも、そうやって長い間ジャズを聴いていても、まったく知らなかったミュージシャンがいっぱいいます。

今日紹介するピアニストもそのひとり。
エディ・カノです。

カノというくらいなのでメキシコの出身なのでしょう。
ライナーノーツを見ると、メキシコ人の父と、メキシコ系アメリカ人の母の間で生まれたカリフォルニア州ロサンジェルス出身とのこと。

わたしが彼を知ったのは、CDショップのおまけにもらった小冊子に、最近のクラブDJの推薦するジャズがいくつか載っていて、そのいくつかに反応して買った一枚です。

そこに紹介されていたのは、どちらかといえばメインストリームではなくて、ちょっと外れのジャズでした。
カノのアルバムに反応したのは、「ラテンジャズ」という言葉。
そんなジャズ、あるのかよって感じでしょうか。
あるなら一体どんなものか、聴いてみたくなったのです。

ちなみにその小冊子はユニバーサルのCDを買ったおまけについてきて、全部で20タイトルくらい載っていましたが、紹介の仕方がとてもよかったので、わたしはその中の半分くらいを買うことになりました。
書き手はクラブDJの誰かさんでしたが、見識のある人があまりメジャーでないアーティストを紹介するというのは、とてもよいことです。

で、カノです。
LAにあったP.J.’Sというライブハウスの67年のライブ盤で、頭っから飛ばしています。

1曲目の「Slip Slip」という曲なんか、お客さんの方が熱くもりあがっていて、カノのバンドをバックに、「Slip Slip」と掛け声をかけているのが印象的でした。
続く「LA BAMBA」はパーカッションのエディ・タラメンテスが歌いだして大盛り上がり。
「MIRA COMO ES」はサンタナの「オエ・コモ・バ」と似たラテンタッチのノリノリの曲。
とにかくピアノトリオにパーカッションがふたりついて、そのパーカッションがコンガとティンパレスなものだから、カンカンいってご機嫌です。

で、いいところで「マンデー・マンデー」がはじまります。
これは同じレーベルのスターボーカルグループ・ママス&パパスのヒット曲ですが、「ああ、この曲って、こんなに奇抜な流れをもっていたのか」と、感心させられるような出来。とてもよいです。

そしてオススメがカノのオリジナル「DON’T EVER CHANGE」の登場。
アルバムに収録された唯一のバラードですが、同じバラードでもエバンスの耽美とはまったくちがって、ゆるーいリズムをバックに、とてもセクシーです。

このblogの一番最初に紹介したエンリコ・ピエルヌンツィのカンツォーネに似たコードの動きを持つ楽曲で、わたしのラテン好きを一挙に刺激しました。

全体にカノのピアノはオブリガードがすくなくて、とにかくパキパキとリズミカル。音もピーンと立ってます。余計な配慮とかなくて、欲しいときに欲しい音がはいってきて、それ以外はドラムとふたつのパーカッションに身を任せるという姿勢。
これはちょっと勉強になったな。

わたしなんか、あまり知らない人と話す場合、会話と会話の空いたところをつまらない話をして埋めてしまう癖があるんだけど、カノは言いたいことを言った後は、しゃべりたい奴に任せるという姿勢。大物です。

全部聴き終わると怒涛のパーカッションとノリノリだった記憶と、やけにセクシーなバラードが頭をくるくる回って、また聴くかって感じでCDの針を落としてしまいます。

人生ってこうやって生きたいなあ。
ノリノリで楽しいことだけやって、時にセクシー。
面白いことがあると、新しいことでも何でも飛びついて自分のものにしてしまう胃袋の強さ。
クヨクヨしている暇があったら、もっと楽しみなよって感じでしょうか。
今週、僕は15回ほどこのアルバムを聴きました。

その上、カノの別のCDがないかタワーとHMVに買いに走り、結局アマゾンで「DEEP IN A DRUM」を注文したくらい。

あー、楽しみだな、いつ届くのかな。

羽島 亨

P.S.
〜♪ 只今このブログは何位でしょか?


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P.P.S.
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  1. 2007/03/16(金) 10:00:00|
  2. ジャズ
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