![]() | Ballads Enrico Pieranunzi、Marc Johnson 他 (2006/08/01) Cam Jazz この商品の詳細を見る |
僕の大好きなJAZZピアノ奏者エンリコ・ピエラヌンツィ の新しいアルバム「ballads」が発売されました。
大音量で一曲目の「MI SONO INNAMORATO DI TE」を部屋に流すと、エンリコの情感たっぷりなピアノが美しいメロディをつむぎ出します。
それに答えるようにして現代最高のベーシスト・マーク・ジョンソンが弾きだす瞬間、もう、うわーって感じ。
これ、エンリコの新曲?と思いきや、ルイジ・テンコの作品だとクレジットがありました。
ルイジ・テンコは.1990年のキリン・ビールのTV-CF曲「Se stasera sono qui(夜の想い)」を歌った歌手で、美メロが印象的な人でしたが、こんな名曲があったのか。
エンリコは個人的な思いいれが強いのか、ナミダぼろぼろに弾きまくります。
まるで歌っているようとはこういうピアノを言うのでしょう。よく音楽評論家が「歌うように弾いている」とか書くのを見ることがあるけれど、実際に聞いてみるとそうかな、やっぱ演奏しているじゃないかってトラックが多い中、これこそ歌うように弾いている。
いや、もっというと感情むきだしで泣きながら弾いている。
ナミダどろどろ。げぼげぼ。じょろじょろ。
こういうの聞きながら、若い女を泣きながら口説いてみたいと思います。「もう、だめ。行かないで」とか、「別れたらここで死ぬ」とか。プライドとか全部捨ててじょろじょろやりたいというのは、僕だけでしょうか。
そういえば歌の泣きって何だろうと思って、昔プロデュースしていた高校を卒業する森尾由美ちゃんに卒業の歌を歌わせてスタジオで泣かせたことを思い出しました。
泣いているトラックをそのままレコードで発売するなんていう無茶しました。
そのとき、物理的に泣くというのでは泣くことが伝わらないわけで、やはり歌の泣きとは、「聞いている人が泣いていると感じるように歌うこと」なんだと知ったわけですが、いや、このエンリコは泣いている。泣いたピアノを聴きたければこれを聞けば良いという感じでしょうか。
ちょっとテンコについて・・・
生前はあまり恵まれた境遇でなかったテンコ。活動期間が5年で、最後には30歳にならない前に自らピストル自殺を遂げました。
皮肉なもので、彼の死後、相次いでレコードが発売され、現在でも多くの人々に愛されています。彼の逝去地サンレモでは毎年「ルイジ・テンコ賞」コンサートが開催されています。
羽島 亨
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